2025.05.17
りんご病(伝染性紅斑)がまだ流行しています
今回は、小さなお子さんに多い感染症のひとつ「伝染性紅斑(でんせんせいこうはん)」、通称「りんご病」についてご紹介します。
伝染性紅斑ってどんな病気?
「りんご病」は、ヒトパルボウイルスB19というウイルスが原因の感染症です。主に幼児から小学生くらいまでのお子さんに多く見られます。
症状の流れ
1.初期症状
発熱・倦怠感・鼻水など、風邪のような症状が数日続きます。
2.ほっぺが赤くなる
風邪症状の終わり頃に、両頬がりんごのように赤くなる発疹が出現します。
3.その後、全身に
腕や脚に、レース模様のような赤い発疹が広がることもあります。多くはかゆみが軽度で、1週間程度で自然に消えていきます。


感染経路と感染力
『 飛沫感染(咳・くしゃみ)』や『 接触感染(手・おもちゃ・ドアノブなど)』でうつります。
注意が必要なのは、
「赤いほっぺが出る前」=風邪症状の時期に感染力が最も強いという点です。
発疹が出たころには、ほとんど感染力はなくなっています。
登園・登校はいつから?
基本的に、発疹が出た後は登園・登校してもOKです。
(※ただし、お子さんの体調や、園・学校のルールに応じて判断してください)
検査はできるの?
一般的には症状だけで診断可能ですが、必要に応じて以下のような検査があります。
- 血液検査(抗体検査):IgM(最近の感染)、IgG(過去の感染)が確認できます。
当院では、症状が典型的であれば診察のみで診断しますが、
妊婦さんがご家族にいる場合や、基礎疾患がある場合など、状況に応じて検査をおすすめすることがあります。
妊婦さんがご家族にいる場合は特に注意!
妊婦さんが初感染した場合、まれに以下のような影響があるとされています。
- 胎児貧血
- 胎児水腫(重症化)
- 流産や死産のリスク(特に妊娠初期〜中期)
ただし、感染しても多くの場合は無事に出産されます。
妊婦さんが取るべき対応
- 感染の可能性がある場合は、早めに産婦人科へ相談
- 必要に応じて、血液検査(抗体の有無)を実施
- 感染を避けるには、手洗い・うがい・密な接触の回避が重要
まとめ
- 伝染性紅斑は、症状が出る前に感染力が強いのが特徴
- 発疹が出た後は、基本的に登園・登校は可能
- 妊婦さんがいる場合は、早めの相談・検査が大切
- ご不安なことがあれば、いつでもご相談ください!
地域の皆さまが安心して子育てできるよう、にこにこクリニックでは丁寧な診療を心がけております。
気になる症状がありましたら、お気軽にお声がけくださいね。