子供も花粉症になる!?
花粉症も、他のアレルギーと同様に、近年はお子さんにも発症しやすくなっています。
特に5~9歳の年齢層でその数が増えており、中には乳幼児期から発症するケースも見られます。
花粉症は、日常生活にさまざまな支障をきたします。鼻や目の症状が日中の集中力や睡眠の質を低下させたり、学業・成長に良くない影響を及ぼします。
子供の花粉症症状は?

- くしゃみ
- 鼻水、鼻づまり
- 目のかゆみ、赤み
- 鼻をひくつかせる癖
- 口をもぐもぐさせる癖
- 目をこする癖
子供ならではの症状も
症状の現れ方
鼻を正しくかむ習慣が身に着いていないことが多いため、大人よりも鼻すすりをする回数が多くなります。
他の耳・鼻の病気の発症・悪化につながりやすい
中耳炎や副鼻腔炎の発症のきっかけになったり、悪化させたりということが多くなります。
身体の成長によって自然治癒しない
食物アレルギーとは異なり、身体が成長することによって治癒するということがありません。
子供の花粉症の検査と診断
血液検査の上、鼻の粘膜の状態を観察して、診断します。
子供の花粉症の治療
抗アレルギー剤の投与と吸引・吸入が基本となりますが、舌下免疫療法(5歳以上)も可能です。
お薬での治療
抗アレルギー剤の投与により、症状を抑えます。
大人の花粉症治療と同様、アレルゲンとなる花粉が飛び始めるより早く使用を開始することが大切になります。
シロップ、ドライシロップ、チュアブルなどのタイプがありますので、お子さんの飲みやすいものを使用します。
ドライシロップとは
水に溶かしてコップで飲めるお薬です。甘味があり、お子さんにも飲みやすくなっています。
チュアブルとは
噛み砕いて飲み込む錠剤です。噛み砕くことで、楽に飲み込めます。
吸引や吸入
吸引や吸入をこまめに受けることで、鼻の通りを良くしたり、鼻粘膜の状態を整えられます。
舌下免疫療法
スギ花粉症、ダニアレルギーの方は、舌下免疫療法という方法も有効です。
アレルゲンを含むお薬を舌の下に2分ほど置いておき、体内に取り込みます。これを毎日繰り返すことで、アレルゲンを徐々に身体に慣らしていき、症状を抑えます。
なお、推奨される治療期間は3年以上で、その間は毎日投与する必要があります。最初は院内で練習をして、そのあとはご自宅で取り組める療法ですので、通院の頻度は少なくなります。
舌下免疫療法の開始時期
スギ花粉が飛散しているタイミングで舌下免疫療法を行うと、花粉+お薬で身体に取り込むアレルゲンの量が多くなってしまいます。
そのため、舌下免疫療法は、スギ花粉が飛散していないタイミングで開始する必要があります。
なお、例年関西でのスギ花粉の飛散は、2~4月頃が多くなっています。
スギ花粉もダニも5歳から可能に
スギ花粉症、ダニアレルギーに対しての舌下免疫療法の適応が、2018年より5歳以上にまで拡大されました。
完全に治癒しない場合でも、症状が抑えられたり、お薬の減量が期待できますので、どうぞお気軽にご相談ください。
貼付剤
15歳以上の方には、貼付剤を処方しております。
花粉症Q&A
花粉症の薬は何日分・何週間分もらえるのでしょうか?
薬はシロップ・粉・口腔内包解錠(OD錠)・錠剤などがあります。初回は、7日または14日分をお渡しし、その薬が飲みやすいか、またよく効いているかどうかお試しください。
その薬がご自身に合っていたら、次回より30日分お薬をお出ししたり、状況に合わせて随時中断したりします。
花粉症の薬はどのようなものがありますか?
花粉症とは季節性のアレルギー性鼻炎のことです。
春にはスギ・ヒノキ 秋にはブタクサ・ヨモギなどが代表的な花粉症です。
クスリは一般的に抗アレルギー薬・漢方薬・ステロイドを使用します。
抗アレルギー薬で当院で扱いがあるものとして
・ヒスタミンH1受容体拮抗薬(第2世代抗ヒスタミン薬)
アレロック・オロパタジン・ザイザル(レボセチリジン)・ルパフィン・アレサガ(貼付剤 15歳以上)・アレジオン(目薬 コンタクト併用可)
・ヒスタミンH1受容体拮抗薬(第1世代抗ヒスタミン薬)
セレスタミン
・ロイコトリエン受容体拮抗薬
モンテルカスト
・吸入ステロイド
アラミスト(モメタゾン)
漢方
・小青竜湯
その他症状に応じて、抗生剤や鎮咳薬(咳止め)、痰切り、気管拡張薬などを使用する場合があります。
一般的にヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)は眠気が強く出ると言われています。第2世代になり、眠気は第1世代よりは改善されましたがやはり眠気はあります。車を運転される方は、第2世代抗ヒスタミン薬を服用後は運転はやめてください。
また第1世代抗ヒスタミン薬は子どものけいれんを誘発する恐れがあり、使用は控えてください。
スギ花粉症やダニによるアレルギー性鼻炎の治療法にアレルゲン免疫療法として『舌下免疫療法』があります。
診療や血液検査で確実にスギやダニによるアレルギー性鼻炎と診断されてから処方可能となります。
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