子供の花粉症(アレルギー性鼻炎)|症状(目が痒い・鼻がムズムズする等)・検査・治療

子供も花粉症になる!?

花粉症も、他のアレルギーと同様に、近年はお子さんにも発症しやすくなっています。
特に5~9歳の年齢層でその数が増えており、中には乳幼児期から発症するケースも見られます。
花粉症は、日常生活にさまざまな支障をきたします。鼻や目の症状が日中の集中力や睡眠の質を低下させたり、学業・成長に良くない影響を及ぼします。

子供の花粉症の症状は?

子供の花粉症症状は?

  • くしゃみ
  • 鼻水、鼻づまり
  • 目のかゆみ、赤み
  • 鼻をひくつかせる癖
  • 口をもぐもぐさせる癖
  • 目をこする癖

子供ならではの症状も

症状の現れ方

鼻を正しくかむ習慣が身に着いていないことが多いため、大人よりも鼻すすりをする回数が多くなります。

他の耳・鼻の病気の発症・悪化につながりやすい

中耳炎や副鼻腔炎の発症のきっかけになったり、悪化させたりということが多くなります。

身体の成長によって自然治癒しない

食物アレルギーとは異なり、身体が成長することによって治癒するということがありません。

子供の花粉症の検査と診断

子供の花粉症の検査と診断

血液検査の上、鼻の粘膜の状態を観察して、診断します。

アレルギー性鼻炎・花粉症は遺伝するの?

よく外来の現場でこのような相談があります。
『私が花粉症なのですが、子供もずっと鼻水・くしゃみ・鼻詰まりが続いています。子供が花粉症なのかどうか心配です。』

花粉症とは、季節性アレルギー性鼻炎のことです。
厚労省の調査によると、日本人の25%が花粉症に罹患しており、そのうち70%がスギ花粉症であると考えられています。

季節を問わず、一年中くしゃみ・鼻水・鼻詰まり(鼻閉)が多い場合は通年性アレルギー性鼻炎と言います。
主にハウスダストやダニ・飼っているペットが原因になっています。
さらに花粉が飛んでいる時期と重なると症状がひどくなる場合もあります。
生活環境の改善が優先されます。
掃除・寝具の洗濯 除湿機による室内の除湿管理もダニを抑えることができます。犬・猫はできるだけ清潔にしてあげてください。

スギについて

スギは日本の歴史では切ってもきれない関係で、弥生時代あたりから材木に使われ、室町時代にはすでにスギの植林をしていたと考えられています。
スギの寿命は、屋久杉のように数千年生きているものもありますが、およそ500年と言われています。
現在日本国土の12%が人工林(スギ)になっています。1964年の材木の貿易自由化で、海外から価格の安い材木が手に入るようになり、戦後全国で植林されたスギが伐採されずに放置されるようになってしまいました。
スギは放置されたまま大量の花粉をまちき散らすことにより、特に1995年以降スギ花粉症は増加傾向です。
花粉症は残念ながら遺伝します。また、環境によるものも多いです。

戦後の山行苗木の生産量の推移

ヒノキについて

日本ではスギの次に植林数が多いです。
ヒノキ花粉症はスギ花粉症がある方の大部分に見られます。ヒノキ花粉の主要アレルゲンがスギ花粉と高い相同性を示すためです。

なんでこのような症状になるの?

アレルゲン:アレルギーをひき起こす物

アレルゲンとはアレルギーをひき起こす物です。
アレルゲンや外的刺激が体内に入るとマスト細胞や好塩基球(白血球)から化学伝達物質(ヒスタミン・ロイコトリエン・トロンボキサン・プロスタグランジン)が分泌されます。これがくしゃみ・鼻水・鼻詰まりの原因になります。まぶたの結膜に作用すると目の痒みや涙目になります。
化学伝達物質の分泌具合は人により様々です。花粉症上以外にも、虫刺れ・蕁麻疹・アトピー・喘息でもこの化学伝達物質が絡んできます。
化学伝達物質の分泌(興奮)が強ければ強いほど、症状がひどくなります。
例えば虫刺されで、腫れが強い人やそうでない人がいます。腫れが強いほど刺激伝達物質の分泌具合(興奮度)が高いと言うことです。

どういう治療があるの?

小児期から発症するスギ花粉症は自然に治る見込みはあまりありません。

花粉が飛ぶ前から予防的治療をすることで、発症時期を遅らせる・症状が軽く済むなどのメリットがあります。
早期のアレルゲン免疫療法で根治や症状の改善につながる可能性はあります。

広く使われているものは対症療法がメインです。

出典:的確な花粉症治療のために(厚生労働省)

出典:的確な花粉症治療のために(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/new-info/kobetu/kenkou/ryumachi/dl/kafun_chiryo.pdf

クスリは一般的に抗アレルギー薬・漢方薬・ステロイドを使用します。

当院で取り扱いがあるもの(※全て保険適応です)
  • 抗アレルギー薬
  • ステロイド(吸入・点眼のみ)
  • 漢方
  • アレルゲン免疫療法(舌下療法・点滴療法)
  • ヒスタミン加人免疫グロブリン注射(ヒスタグロビン注射)
  • ノイロトロピン注射
抗アレルギー薬
  • ヒスタミンH1受容体拮抗薬(第2世代抗ヒスタミン薬)
    アレロック・オロパタジン・ザイザル(レボセチリジン)・ルパフィン・アレサガ(貼付剤 15歳以上)・アレジオン(目薬 コンタクト併用可)
  • ヒスタミンH1受容体拮抗薬(第1世代抗ヒスタミン薬)
    セレスタミン
  • ロイコトリエン受容体拮抗薬(抗ロイコトリエン薬)
    モンテルカスト

    一般的にヒスタミンH1受容体拮抗薬(抗ヒスタミン薬)は眠気が強く出ると言われています。第2世代になり、眠気は第1世代よりは改善されましたがやはり眠気はあります。車を運転される方は、第2世代抗ヒスタミン薬を服用後は運転はやめてください。
    また第1世代抗ヒスタミン薬は子どものけいれんを誘発する恐れがあり、使用は控えてください。

アレルゲン:アレルギーをひき起こす物

ステロイド薬
  • 吸入
    アラミスト(モメタゾン)
  • 点眼
    フルメトロン
漢方
  • 小青竜湯
  • 辛夷清肺湯

アレルゲン免疫療法

ごく少量のアレルゲンを体内に入れて体を慣れさせる治療です。(脱感作療法)
最低2年できれば5年以上の継続治療が必要ですが、根治につながる可能性がある唯一の療法です。
血液アレルギー検査でスギ花粉症・ダニ花粉症と診断された方に限ります。
舌下錠(SLIT)と皮下注射(SCIT)があります。

舌下錠(SLIT):5歳以上

シダキュアスギ花粉舌下錠(スギ花粉症に有効) ミティキュアダニ舌下錠(ダニに有効)通院が月1回ですむため楽です。

シダキュアスギ花粉舌下錠(スギ花粉症に有効)
ミティキュアダニ舌下錠(ダニに有効)
の2種のみです。

毎日摂取が必要です。また症状がなくても最低月1回の受診が必要になってきます。
80%に効果があると考えられていますが、薬20%は無効で、万人受けするものではありません。
重度の喘息の方は適応とはなりません。
妊娠中も避けた方が良いです。3−5年用するため近くに妊娠を希望される場合は適応とはなりません。

1日1回舌下投与。投与前後2時間は入浴・飲酒や激しい運動を避ける。
1日目のみクリニック投与、2日目以降は自宅投与。

  • 治療期間:最低2年以上 3-5年推奨
  • 有効性:8割前後
  • 副作用:口腔内の腫れ 痒み 投与開始初期の1ヶ月は注意すること。 2014年から日本で始まって以来死亡例はありません。
皮下注射(SCIT)

月1回以上の注射を最低2年、できれば3年以上。
ダニ:80-90%根治 
スギ:70%根治
特にダニアレルギーにはお勧め

  • 副作用:接種部位の腫れ、発赤・ショック症状、ほとんどが接種後30分以内、妊婦OK

海外データでは、舌下と皮下注射での効果に有意差はなく、安全性は舌下が副反応は少ないです。
注射前にヒスタミン H1 受容体拮抗薬の内服を行うことで、重篤な副反応の危険性が軽減できるとする報告があります(かえってよくない意見も出ています)

・長期に鼻炎に悩んで勉強が捗らなくなっている学生
・長期間鼻炎で苦しんでいる方
・営業や人前に立つ仕事についている方

などに特におすすめです。

ヒスタミン加人免疫グロブリン注射(ヒスタグロビン注射)について

ヒスタミン加人免疫グロブリン注射(ヒスタグロビン注射)

花粉症・ひどい虫刺され・蕁麻・アトピー性皮膚炎にも有効で、基本的に全てのアレルギーに対して効果のある治療です。花粉症だけでなく、アトピー性皮膚炎・蕁麻疹・喘息など重度の症状が重なってる場合一番効果のある可能性のある療法です。
アレルゲン免疫療法が症状がスギ・ダニと限定されているのに対し、ヒスタグロビンは限定せず、全てのアレルギーに対処となります。

ヒスタグロビンは、ヒスタミン+免疫グロブリンの作用があります。
アレルギー反応の原因となりうるヒスタミンの分泌そのものを抑える療法です。

週1〜2回の注射を全6回行います(1クール)。これで症状の改善が少ない場合はもう1クール行います。
基本的に全アレルギーに対応ですが、1クールの効果は3−4ヶ月で完治するわけではありません。

ヒスタグロビン注射の流れ

ただ特定生物由来製品という特別な薬品を使用します。
薬事法では次のように定められています。

生物由来製品

人その他の生物に由来するものを原料又は材料として製造をされる医薬品、医薬部外  品、化粧品又は医療用具のうち、保健衛生上特別の注意を要するものとして、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。(改正薬事法第2条第5項)

特定生物由来製品

生物由来製品のうち、販売し、賃貸し、又は授与した後において当該生物由来製品による保健衛生上の危害の発生又は拡大を防止するための措置を講ずることが必要なものであつて、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて指定するものをいう。(改正薬事法第2条第6項)

つまり
ヒトや動物の血液から作られているものです。
ほどんどのウイルスや病原菌除去は行っておりますが、2020年現在でもパルボウィルスB19のウイルス除去は困難と言われています。
そのためパルボウイルス感染症や未知の病原体などによる感染症の危険性はあります。

以上の点からこの製剤を使用した方は、感染症のリスクを避けるため献血はできません。
ただ、1967年発売以来感染症などの報告例は1例もありません。
リスクはありますが、比較的安心してつかえる製剤だと言えます。

また以下の方は使用できません。

  • 妊婦
  • 生理中
  • 喘息発作時
  • ステロイド内服中
  • 2週間以内にワクチン接種をした方
  • 当薬剤でアレルギーを起こした方
当院で取り扱いがないもの
  • 点鼻用血管収縮薬
  • ステロイド注射
  • 手術
  • その他保険適応外のもの

点鼻用血管収縮薬

即効性は高いですが長期使用では鼻詰まりが悪化する可能性があります。
市販薬で一番出ています。当院では現在取扱ありません。

その他症状に応じて、抗生剤や鎮咳薬(咳止め)、痰切り、気管拡張薬などを使用する場合があります。

点鼻の市販薬について

点鼻用血管収縮薬が一番出回っているようです。即効性は有りますが、クセになって使い続けるとだんだん効かなくなります。(薬剤性鼻炎)血管収縮薬

  • ナザールスプレー(佐藤製薬)
  • エージーノーズアレルカット(第一三共)
  • エナジー点鼻薬(コーア製薬)
  • グローアルファ点鼻クール(グロー薬品工業)
  • アルガード点鼻クールスプレーa(ロート薬品)
  • ナシビンMスプレー(佐藤製薬)
  • ベンザ鼻炎スプレー(武田薬品工業)

花粉症用点鼻薬人気ランキング10選のうち7製品が血管収縮薬です。
市販薬の使用は最小限にとどめるようお願いします。
また6歳未満の使用はやめてください。

また点鼻薬以外の抗アレルギー薬の市販薬は以下を参照してください。
【花粉症の薬】選び方とおすすめの「市販内服薬」7選 ― 2021年最新版

外科的手術

耳鼻科で行うものですが、根治療法とはならず、再発します。

各種治療法のまとめ

※下記の表は左右にスクロールできます

特徴 開始時期 服用頻度 メリット デメリット コスト(3割負担)
内服/貼付/点鼻/点眼 対症療法 花粉の前 毎日

楽 即効性あり
貼付薬は本当に楽
妊婦OK

シーズン中はずっと飲み続ける

眠気もあり

アレルゲン免疫療法
(舌下)
6歳以上
スギとダニのみ

スギ:5月連休〜冬 ダニ:いつでも

毎日、最低2年
3-5年がベスト
同時可
(半年開けて 朝と夜)

スギ・ダニともに80%に効果

日本でも70%以上の効果あり

20%は効果なし

年単位で飲み続ける

スギ:約2000円/月ダニ:約2500円/月
アレルゲン免疫療法
(皮下注射)
ハウスダスト・スギ・ダニ
カモガヤ・ブタクサ

スギ:5月連休〜冬 ダニ:いつでも

月2回
維持良に達したら月1回
最低2年

妊婦OK

ダニに関しては舌下療法よりも効果が高いと言う報告あり

稀にアナフィラキシー
スギ花粉には20-30%の治癒率との報告あり

効果に1年はかかる

ヒスタミン加人免疫グロブリン注射
(ヒスタミンを抑える)
花粉症だけでなく
蕁麻疹やアトピー性皮膚炎にも有効
花粉の前 週1-2回(計6回):1クール
1クールで改善なければ2クール
1クールで3-4ヶ月間は
全アレルギー反応を抑えることができる。

効果に3−4ヶ月

長年アレルギーマーチで苦しんでいる方には特にお勧め。

年2クールで1年中の症状は緩和される

稀にアナフィラキシー

未知の感染症のリスク

使用中は献血はダメ 痛い

ヒスタミ注射:薬1000円/回
下甲介粘膜焼灼術
(レーザー)
10歳以上 手術は20分程度

痛み少ない

日帰り手術が殆ど

2年ほどで再発
目や喉には効果なし

約1万5千円
粘膜下下鼻甲介骨切除術 
+
後鼻神経切断手術
15歳以上が多い 手術は90分程度 鼻症状改善は80% 全身麻酔で入院が多い
目や喉には効果なし
7年で再発多い
10万-30万

花粉症の薬は何日分・何週間分もらえるのでしょうか?

薬はシロップ・粉・口腔内包解錠(OD錠)・錠剤などがあります。初回は、7日または14日分をお渡しし、その薬が飲みやすいか、またよく効いているかどうかお試しください。
その薬がご自身に合っていたら、次回より30日分お薬をお出ししたり、状況に合わせて随時中断したりします。

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