新型コロナウイルスによるポピドンヨードを含むうがい液についての誤解

新型コロナウイルスが世に出てから、約9ヶ月が経ちました。
これまでの経過から様々なことがわかってきています。
また、徹底的な管理のもと発生経路も『夜の街』が大幅に減少傾向であります。
その反面、家庭内・職場(病院 保育所含む)・食事会でのクラスターが増加しています。
新型コロナウイルスは、主に口腔内や鼻腔内に多く増殖されていることがわかってきました。

死亡率についても日本は世界的にも最低ラインで、10代以下では0人、20代で1人となっています。
基礎疾患を持っている人が諸外国と比べ少ないからではないかと言われています。

新型コロナウイルスによる年代別死者数

新型コロナウイルスによる年代別死者数
※参照元:毎日新聞2020年7月20日 18時23分(https://mainichi.jp/articles/20200720/k00/00m/040/165000c

大阪府知事とはびきの医療センターの会見について簡単に解説します。

新型コロナウイルスは、主に口腔内(舌裏)で増殖している。

新型コロナウイルスは主に口腔内(舌裏)で増殖

府内軽傷者41人でうがいの有無を対象とした試験です。
PCR検査は、全員うがい前に検査します。
その後、ポピドンヨードでうがいする(25人)、うがいをしない(16人)で比較しました。
その結果、ポピドンヨードでうがいをした人がその後のPCR陽性率が下がりました。

「ポピドンヨードによるうがい」の新型コロナ軽症患者への活用について

※参照元:大阪府報道資料(http://www.pref.osaka.lg.jp/kenisomu/povidon/index.html

 

人数もまだ少なく、水との比較はないのでポピドンヨードによるうがい薬が良いとの発表はされていません。
水うがい自体で、感冒を4割抑えることが出来ることがわかっていますが、ポピドンヨード液でのうがいは予防効果はありません。

※参照元:Prevention of Upper Respiratory Tract Infections by Gargling A Randomized Trial (http://www.hazamaiin.com/ebm/pdf/gargling_prevention.pdf

ただ、『うがい』という行為自体で、新型コロナウイルスに対するウイルス数を減らす可能性があり、皆さんが心がけることで、職場内での集団感染・家庭内での集団感染を抑える可能性は十分にあります。

ポピドンヨードうがい液についても注意が必要です。
ポピドンヨードうがい液を長期使用することでヨード=ヨウ素過剰になります。
甲状腺はヨード(ヨウ素)を材料にして甲状腺ホルモンをつくり体のバランスを整えます。
甲状腺ホルモンは全身の代謝や臓器の働きを活発にし、車のアクセルを踏んだ状態と表現するとわかりやすいです。

ヨード(ヨウ素)が多くなりすぎると甲状腺ホルモンをこれ以上作らなくて良いと体が認識していまい、甲状腺機能低下症に陥ります。(エンジンが全くかからない状態です)
また、生まれてくる赤ちゃんの甲状腺機能低下になる可能性があり、妊婦さんには使用を控えた方が良いでしょう。
ポピドンヨードうがい液にはアルコール成分も含まれているためアルコールが極端に苦手な方にもお勧めしません。

大阪府知事と「はびきの医療センター」との共同会見ではポピドンヨードが良いとは一言も言っていませんが、全国ネットで生放送されていること、会見に多数のポピドンヨードを並べていることで視聴者が急いで買いに走るのも無理はありません。

ポピドンヨード液は非常に殺菌作用は強く口腔内消毒以外にも怪我の処置など、いろいろな場面で使われています。市場に出まわりにくくなったおかげで、歯科の抜歯後の処置や処方に影響が出ているようです。
今後外科手術にも影響を及ぼしかねせん。皆様の冷静かつ沈着な判断が必要です。

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