各種予防接種

にこにこクリニックでは、各種予防接種を実施しております。
予防接種の種類と、接種の適齢期をまとめておりますので、ご参考ください。

各種予防接種

定期接種

ロタウイルス

ロタウイルス胃腸炎の重症化を予防します。
2回目の接種は、1回目の接種から4週間以上を空けます。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
生ワクチン 生後6週~14週6日 2回
腸重積症の症状に要注意

腸の一部が腸の他の部位に入り込んでしまう「腸重積症」は、0歳のお子さんによく見られる病気です。
ロタウイルスワクチンの接種により、腸重積症のリスクがやや増加すると言われています。接種後1週間以内に以下のような症状・状態が見られた場合には、すぐにご連絡ください。

  • 不機嫌な様子が続く、泣き続ける
  • 繰り返しの嘔吐
  • ぐったりしている
  • 顔色が悪い
  • イチゴジャムみたいなウンチがでた


【腸重積症の血便:引用「ぱっと診」でわかる!小児の一発診断100】

B型肝炎

母子感染予防として接種する場合には、健康保険が適用され、かつ定期接種の対象外となります。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
不活化ワクチン 0~3歳 3回

Hib感染症

生後6カ月までに3回の接種を終えられるよう、できるだけ生後2カ月を迎えた時点で最初の接種を受けましょう。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
不活化ワクチン 生後2カ月~7カ月未満 3回

肺炎球菌感染症→

初回の接種時期が遅くならないように注意しましょう。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
不活化ワクチン 生後2カ月~6カ月 4回

四種混合(DPT-IPV)

ジフテリア、百日せき、破傷風、ポリオに対する免疫をつけます。4回目の接種は、3回目の接種の1年後となりますので、忘れないようにご注意ください。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
不活化ワクチン 生後3カ月 4回

五種混合(DPT-IPV)

2024年4月から、四種混合ワクチン(DPT-IPV: 百日咳、ジフテリア、破傷風、ポリオの予防)とヒブワクチン(インフルエンザ菌b型の予防)が一つにまとめられた五種混合ワクチン(DPT-IPV-Hib)が導入されました。

BCG(結核)

乳児の結核を予防するためのワクチンです。注射ではなく、スタンプ方式です。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
生ワクチン 生後5~8カ月 1回

麻疹・風疹(MR)

2回目の接種は、小学校に上がる前年に行います。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
生ワクチン 1歳を迎えてすぐ 2回

水痘(水ぼうそう)

2回目の接種は、1回目の接種から3カ月以上経過してから行います。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
生ワクチン 1歳~1歳1カ月 2回

日本脳炎

生後6カ月からの接種が可能ですが、標準的には3歳から行います。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
不活化ワクチン 3歳(生後6カ月から可能) 4回

二種混合(DT)

四種混合ワクチンまたは三種混合ワクチンを接種した場合の、2期目の予防接種です。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
不活化ワクチン 11歳~13歳未満 1回

ヒトパピローマウイルス →

ヒトパピローマウイルスへの感染の持続による子宮頸がんの発症を予防します。
1回目の接種の1~2カ月後に2回目接種、6カ月後に3回目を接種します。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
不活化ワクチン 中学1年生 3回

任意接種

おたふくかぜ

2回目の接種は、小学校にあがる前年の麻疹・風疹ワクチンの2回目接種と同時期が良いでしょう。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
生ワクチン 1~1歳3カ月 2回

A型肝炎

海外の飲用水の管理が良くない国・地域へ移動される際には、必ずお子さんにも受けさせてあげてください。
1回目の接種から2~4週間後に2回目の接種を、約半年後に3回目の接種を行います。

種類 接種をはじめる月齢・年齢 接種回数
不活化ワクチン 1歳を迎えてすぐ 3回

予防接種で予防できる感染症について詳しく解説

細菌性髄膜炎

Hib(インフルエンザ菌b型)、肺炎球菌などの細菌が、血液を介して脳を包む髄膜に侵入して炎症を起こす病気で、1歳未満のお子さんの発症リスクが高いと言われています。
初期症状は発熱程度であることが多く、発見が遅れがちです。悪化すると意識障害や痙攣などの症状も引き起こし、最悪の場合には命を落とします。

ジフテリア

ジフテリア菌の飛沫感染によって発症します。
ジフテリア菌が産生する毒素によって喉が腫れます。呼吸困難や窒息死を起こすこともあります。2000年代に入ってから国内での死亡者は確認されていませんが、油断はできません。

百日咳

百日せき菌の飛沫感染、接触感染によって発症します。
最初は軽い風邪症状から始まり、その後咳がひどくなります。生後3カ月未満で発症すると重症化しやすい傾向にあり、ときに死に至るおそろしい病気です。

破傷風

破傷風菌が傷口などを介して感染します。
破傷風菌が産生する毒素によって、顔面のこわばり、痙攣などを引き起こします。呼吸のための筋肉が麻痺し、窒息死する例も見られます。
十分な免疫をつけるためには、ワクチン接種以外の方法はありません。

ポリオ

ポリオウイルスの経口感染にて発症します。そのほとんどは無症状ですが、中には手足の麻痺、呼吸困難に陥り、死に至ることもあるおそろしい病気です。
国内での自然感染は長らく確認されていませんが、無症状のケースが多数であること、近年海外からの観光客、移住者が増えていることから、安心はできません。

結核

結核菌の空気感染にて発症します。ご高齢の方に多い病気ですが、年齢を追わず感染・発症のリスクはあります。
粟粒結核、結核性髄膜炎になりと、後遺症が残ったり、死亡に至るケースも見られます。
現在でも国内で年間2万人がかかり、そのうち2,000人以上が亡くなっています。

麻疹(はしか)

麻疹ウイルスの空気感染、飛沫感染、接触感染によって発症します。非常に感染力の強い病気です。
10~12日ほどの潜伏期間の後、発熱、全身の発疹が見られます。重症化すると、肺炎や脳炎を引き起こしたり、死に至ることもあります。
感染して1カ月程度は免疫機能が低下するため、他の感染症にかかるリスクも高まります。

風疹

風疹ウイルスの飛沫感染、接触感染によって発症します。
発熱、発疹、リンパ節の腫れなどが主な症状ですが、無症状のケースも見られます。
妊娠20週前後までに妊婦さんが感染すると、お腹の赤ちゃんへと感染が広がり、先天性風疹症候群にかかってしまうこともあります。

日本脳炎

日本脳炎ウイルスを持った蚊に刺されて感染・発症します。人から人に感染することはありません。
致死率20~40%と、大変おそろしい病気です。小さな赤ちゃん、中高年の方は特に重症化のリスクが高いと言われています。回復後も、後遺症が残ることがあります。

HPV感染症(子宮頸がん)

ヒトパピローマウイルスは、女性の約8割が一度は感染するウイルスです。接触感染(性交渉)によって感染します。通常は免疫機能によって自然に排除されるウイルスですので、感染そのものはそれほど危険なことではありません。
ただ、感染が持続することで子宮頸がんの発症の原因になります。子宮頸がんは、近年特に若い方のあいだで急増しているがんの一つです。

水痘(水ぼうそう)

水痘・帯状疱疹ウイルスの空気感染、飛沫感染、接触感染によって発症します。
幼稚園や保育所、学校などでの集団生活の中で簡単に感染してしまいます。
発疹、水ぶくれ、強いかゆみが全身に広がります。肺炎や肝炎を引き起こしたり、水ぶくれの痕が残ることもあります。毎年100万人以上が発症しており、免疫がなければほぼ確実にかかる病気と言えます。

B型肝炎

B型肝炎ウイルスの母子感染、性交渉などの接触感染、あるいは注射器の使いまわしなどによって発症します。
赤ちゃんが感染した場合には、体内にウイルスが長く残ってしまう(キャリア化)可能性が高く、将来的な慢性肝炎や肝硬変なども心配です。
現在は、ワクチンによって母子感染は少なくなっています。

ロタウイルス胃腸炎

ロタウイルスの経口感染によって発症します。
2歳までにほとんどの方が一度は感染します。初期症状は発熱、嘔吐、下痢などです。脱水症状や脳症の合併によって死に至るケースも見られます。

おたふくかぜ

ムンプスウイルスの飛沫感染、接触感染によって発症します。
発熱、耳下腺(耳の前方下にある唾液腺)の腫れが主な症状です。無菌性髄膜炎、難聴などを合併することもあります。思春期以降におたふくかぜにかかった場合には、精巣炎、卵巣炎も心配です。
特に、2~7歳のお子さんによく見られます。

インフルエンザ

インフルエンザインフルエンザウイルスの飛沫感染、接触感染によって発症します。
毎年のように型を変え、冬から秋にかけて流行します。高熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの症状が見られます。
肺炎・脳症を引き起こすこともあり、ときに命にかかわります。
感染予防のためだけでなく、重症化の予防のためにもワクチン接種は大切です。

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