2020年11月9日にファイザー社・ビオンテック社の共同開発による『新型コロナウイルスワクチン』が、90%の予防効果があるとの中間報告がなされました。
記事によると試験参加者が約4万3千人で、94例に発症がありました。
https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-announce-vaccine-candidate-against
効果90%、つまりワクチン接種で90%の人が新型コロナウイルス(COVID-19)に罹らないってことなのでしょうか??
計算しやすいように2万人を対象に1万人には本物のワクチン接種、もう1万人には偽薬(プラセボ)と仮定します。
そのうち本物接種で発症した人が5人、プラセボが50人だったとします。
この場合有効率は、1ー[(5/10000)/(50/10000)]×100=90%となります。
これでわかることは、本物のワクチンを接種した1万人のうち5人は感染しましたが、残り9995人に対しては記事がありません。偽陰性かもしれませんし、発症していても症状がないだけかもしれません。つまり残りの人に関しては効果があったかどうか今のところ良くわからないとういう結果になります。
浮かれるのはまだ時期尚早かも
通常ワクチン開発に3−5年はかかるとされていますが、この時点での発表はまだ早いのでは。
ワクチンの持続期間や重症化を防げるかが不明
今回の報告では発症した94人の状態の記載がなく、重症化を防げていたのかがわかりません。
副反応がまだわかっていない
今のところワクチン接種による重篤な副反応は報告されていません。しかし獲得された抗体が免疫反応を過剰にしより重症化する現象(デング熱で見られるADE(Antibody Dependent Enhancement))がある可能性もあります。
輸送・保存条件
今回のワクチンの保存条件はなんとマイナス70℃!
この基準を守れるところはまずないのではないでしょうか?
いずれにせよ、今回の結果は人類にとって明るいニュースですし、今後にとても期待が持てると思います。
今後の開発に期待し、ワクチンが早期に普及してくれることを願うばかりです。