オミクロン株の流行もうすぐ収束する?
2021年11月30日くらいに出てきたオミクロン株ですが、ついに動物実験の報告・論文が出てきました。
当初、オミクロン株が発見された時、南アフリカ国立感染症研究所(The National Institute for Communicable Diseases)のサイトがパンク状態で、全くアクセスできませんした。
論文では各種マウスで体重減少や呼吸器症状が軽いことが示されいます。
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34981044/
世界の新型コロナワクチン感染者推移です。
南アフリカをはじめ、世界カ国で新規患者数は徐々に減少傾向にあります。
日本ではまだまだ増加していますが、増加率自体はすでに減少傾向です。
- 東京3.0倍(1/5)→8.5倍(1/12)→4.0倍(1/19)→2.8倍(1/24)
- 大阪3.0倍(1/5)→8.2倍(1/12)→4.6倍(1/19)→2.6倍(1/24)
- 全国3.3倍(1/5)→8.5倍1/12)→3.6倍(1/19)→2.5倍(1/24)
政府の蔓延防止対策に加え、クリニック周辺の保育所・幼稚園・小学校でも休校が相次いでいます。
休園・休校に対する明確な議論がなされていないため、教育現場や働く家族の方々に混乱が生じています。
世界の増加率も減少傾向にあるので、ここ数ヶ月で急速に収束に向かうと思います。
病院をはじめクリニックでも大混乱が続いていますが、あと少しの辛抱かなと信じています。
皆様の健康を願い・マスクなしの生活が早く来ることを願います。
新型コロナワクチン・ファイザーVSモデルナ
2010年5月24日からモデルナ社ワクチン接種が始まりました。ファイザー社は希釈が必要で、1本で6人分接種可能です。希釈ミスもあり大規模接種センターでよく問題になっています。
一方、モデルナ社は希釈の必要性がなく1本で10人分接種可能であり、大規模接種センターで広く使われるようになっています。
8月14日現在、日本ではこの2社が主流です。それぞれの今わかっていることをまとめてみました。
副反応はモデルナ社の方が多い?
https://www.tokyo-np.co.jp/article/124060
参照:東京新聞 TOKYO Web
厚生労働省の研究によると、モデルナ社接種後に発熱した人の割合はファイザー社接種後の2~3倍に上ると表明しています。
出典:東海テレビ https://www.tokai-tv.com/tokainews/feature/article_20210807_10506
この現象はアメリカ(CDC)の研究で2021年4月5日に報告済みです。
参照:Adverse Reactions in the US to mRNA-Based Coronavirus Vaccines
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2778441
2回接種で37.5℃以上の発熱はファイザー社4割に対し、モデルナ社8割。
38℃以上はファイザー社2割に対し、モデルナ社6割。
ワクチン効果はモデルナ社が上?
参照元:「デルタ株」の感染予防、ファイザー製よりもモデルナ製が有効か…米研究チーム : 医療・健康 : ニュース8月12日の読売新聞記事です。
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210811-OYT1T50195/
インド由来変異型ウイルス「デルタ株」に対する感染予防効果は2021年7月時点でファイザー社42%に対しモデルナ社76%という米国のデータが出ました。
デルタ株発見以前は両者とも効果に差はあまりありませんでしたが、デルタ株出現で効果に差が見られています。
アナフィラキシーについて
ある論文によると、ファイザーやモデルナの1回目の接種で即時型アレルギー症状のある189人のうち159人に2回目の接種が施行され、抗ヒスタミン薬の内服で軽快するような軽度な症状が20%でみられたのみで安全に接種できたということです。
厚労省から日本でのアナフィラキシーの頻度が、ファイザー5/100万回、モデルナ2/100万回と、インフルエンザ並みと非常に低いことがわかりました。
抗生物質や鎮痛剤の100〜1000分の1ですから、過剰な心配はいらないかもです。
モデルナアーム:COVID-arm(遅発アレルギー)について
参照元:N Engl J Med. 2021; 384:1273-1277
(Delayed Large Local Reactions to mRNA-1273 Vaccine against SARS-CoV-2)
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2102131
2021年1月から米国で報告されています。
頻度3-4% 80%以上が女性で 若い女性(中央値38歳)に特に多いです。
ファイザー社では報告例はありません。
摂取後薬1週間で出現(最短2日 最長12日)し摂取部位よりも下に現れます。
約1週間で自然消失します。
アナフィラキシーに移行した報告例はありません。1回目でモデルナアームが生じても、2回目摂取は問題がないと考えられています。皮膚症状出現は、1回目摂取よりも早まることが多いです。
参考文献:「モデルナアーム」(遅延性皮膚反応)の例
(第64回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第13回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会資料より抜粋)
腕の痛みや痒み・腫れ熱感に関して
- 冷やす
- 抗ヒスタミン薬(https://www.niconico-cl.com/hay_fever/#a10)
- ステロイド軟膏
で症状は軽くなります
また、熱に関してもアセトアミノフェン・NSAIDs使用で症状緩和が期待でます。
副反応に備えるため摂取日の翌日の仕事や学校を調節できるようにされることが望ませしいです。
一般的に予防接種を受ける意義について
- 個人を守る(個人防衛)
- 社会を守る(社会防衛)
とういう役割があります。
予防接種を受けることで、その病気に対する免疫力が作られ、発症や重症化を防ぎます。
多くの人がその予防接種を行うことで、集団の中に感染者が出ても流行を防ぐといった集団免疫効果が発揮されます。
そういうことでワクチン接種することができない人を守るということにも繋がります。
この世にワクチンというものが誕生してから約200年が経ちます。
しかし日本のワクチン接種歴はまだ浅く、2021年時点でまだ73年。当時の平均寿命は約57歳。2020年では84歳。健康寿命(自立生活)も年々高くなっています。
ワクチンで予防できる病気(VPD)が徐々に増えてきたことが大きな要因の一つです。
ファイザー社・モデルナ社の安全性の違いは、いずれも臨床試験で安全性が承認されています。モデルナ社の方が副反応が多く出ている一方、デルタ株などには有効性が高く出ているそうです。
いずれにしてもワクチンに対しある程度の有効性があることがわかっていますので、目前の副反応云々よりもいずれかのワクチンを打てるタイミングで摂取されることが望ましいです。
新型コロナワクチン接種スタッフ6名の経過
本日で新型コロナワクチン2回接種を終えました。1回目、2回目とも左肩接種でした。
うち5名は事前にアセトアミノフェンを投与しています。
副反応について、以下のようなことが書かれています。
※参照元:https://www3.nhk.or.jp/news/special/coronavirus/vaccine/qa/detail/qa_05.html
一番多いのが接種した腕の痛みだと思います。
接種したスタッフ6名の経過をまとめてみます。
2回目の方が全員副反応が強く、6名中4名が発熱が出ました。
摂取時
- 針の入る痛さのみ
- さしたことも気がつかない
- 注入痛みなし
- 痛い
- 1回目は痛さを感じない人も多かったですが、2回目は全員痛みを感じていました。
直後(別室で15-30分待機)
- 直後痛みなし
- 少しヒリヒリ
- 触ると痛みあり
1時間経過
- 徐々に腕の痛み
- 腕も痛みやだるさが少しずつ強くなる
4時間経過
- 接種部位腫脹あり(1名)
- 日常生活には大きな問題はないが腕を上げるのが痛い。
- 腕が重く感じる。
- 洗濯物干す時が辛い
- 左を下にして寝ると痛い。
- 寝返りで痛みで起きる。
16時間経過
- 腕の痛み、だるさ。
- 2回目の方が1回目に比べ痛みが持続し強い
- 熱なし4人
- 発熱2人
- 頭痛2人
- 強い二日酔いの症状3人
20時間経過
- 腕の痛みはほぼなくなる。
- 倦怠感なしほぼ完全に日常に戻る。
- 2回目は痛み続く
24時間経過
- 熱はほぼ全員改善
- 痛みはマシだが続く。
新型コロナウイルスワクチンの実際と今後の 行方
日本で2月17日からようやく新型コロナウイルスワクチン接種がスタートしました。
4月5日現在、大学病院勤務の医療従事者で2回接種が終わたかどうかくらいで、中核病院ではまだ接種が始まっていない施設もあります。
開業医に至っては、接種された先生はごくわずかです。
一方4月12日からは65歳以上の方の高齢者の接種が始まる予定です。
4月5日現在 日本でできるのはファイザー社のみです。
アストラゼネカ社:1億2000万回分
モデルナ社:5000万回分
に関してはいずれも承認申請中で5月以降に承認される見込みです。
最近ファイザーのRNAワクチンに関して
イギリス株、南アフリカ株などの変異株にも効果があること
液性免疫(抗体産生)のみならず細胞性免疫にも効果があること、リンパ節内に胚中心を形成し記憶細胞もできていることがわかっています。
効果の持続がなんと6ヶ月以上あるそうです。
副反応
打った時の痛みは粗ない様です。
主な副反応として接種部位の痛みや腫れ、頭痛、関節痛、倦怠感です。
症状は1-2日で軽快します
世界の新型コロナワクチン接種状況です。
このグラフを見ていると、日本の対応の遅さに危機感を感じます。
遅れているのはシステム上大人の事情で何やら複雑そうです。
https://www.sankei.com/politics/news/210203/plt2102030008-n1.html?fbclid=IwAR2-1Ixf68xybMD8jPRYfS84R25HxVSChkCdpbOT8DffnSZxY2mT9D215CE
今は少しでも早く多くの人に接種する事が大事なんだと思うのですが。
オリンピックのためにも、世界に先駆けて日本は安全ですよ!とアピールすべきでした。
官僚の方々勘弁してください!!
2月にファイザー社が届いてから3月29日現在550万回分(275万人)ですが、4月だけで1226万回分、5月は4300万回分
さらに5月以降にアストラゼネカ社・モデルナ社が加わるので、うまくいくと下記の図の様になるのでしょうか。
今後に期待です。
調達数と今後の計画
新型コロナウイルス ワクチン接種の状況
医師会から新型コロナウイルスワクチン接種に対する調査の連絡が来る様になりました。
いよいよ日本でも2月下旬から新型コロナウイルスワクチン接種が始まります。
アストラゼネカ社(英国)・モデルナ社(米国)・ファイザー社(米国)と日本政府は正式契約を結び、およそ4億回分のワクチンが導入されます。
さらに日本での生産も行われる予定です。
従来のワクチン(生ワクチン・不活化ワクチン)ではなくmRNAという遺伝子を使ったワクチンです。
ウイルスを弱毒化した生ワクチンや、死んだウイルスやその一部を使う不活化ワクチンは、ウイルスそのものをワクチン材料に使い、それを培養するため年単位の時間がかかります。
今までワクチン開発に3−5年くらいかかっていたのはそのためです。
新型コロナウイルスのパンデミックな感染を受け、全世界の技術者が手掛け、今まで実用化されてこなかった全く新しい手法でワクチンが開発されました。驚異的なスピードでのワクチン開発になります。
厚生労働省提供
日本で予定されているもの
mRNAワクチン (ファイザー社、モデルナ社) | ウイルスベクターワクチン(アストラゼネカ社) |
---|---|
エイズウイルスや癌ワクチンで実験段階 実用化は初めて | エボラ出血熱や先天性疾患で実用化あり |
イギリス45万回
アメリカ2169万回
イスラエル277万回
フランス124万回
ファイザー社が出した有効性調査ですが、アメリカで2回接種7日以上経過した人12.8万人に対し、感染者20名であり陽性率0.015%、38.5℃以上の発熱0名となっており、現時点でもかなり効果のあるワクチンである可能性があります。
また、イスラエルも調査で60代以上で2回のワクチン摂取を終えた75万人のうち、検査で陽性が出たのは531人(0.07%)でした。
保健省では一回目摂取して14日目から感染や重症化の割合が減り始めているとのことです。
新型コロナウイルスは国内外でさらに開発競争が進んでします。
厚生労働省提供
厚生労働省提供
ワクチンの副反応
1月末時点で重篤な副反応はほとんど出ておりません。
データではなく、あくまでも実際にアメリカで受けた知人の話ですが、ワクチン接種での疼痛は殆どないとのことです。(データ上は70−80%に局所疼痛あり)
また副反応も1回接種よりも2回接種の方の方が、全身倦怠感などが強く出ている傾向にあるとのことです。
まとめ
2月1日時点での世界の摂取率はまだ1%です。現時点での高い有効率から、世界中が総力をあげて接種率をあげていくことが大切になってきます。
早期のワクチン接種で感染率・感染者数を下げ無事に経済活動が出来ることを願っています。
また、今回の新型コロナウイルスmRNAワクチン開発を筆頭に、各種のウイルスワクチンの開発が加速しそうです。
東京オリンピック開催有無に関しては神風が吹いても無理かもしれません。しかし1日でも早い世界での新型コロナの収束を願い、奇跡を信じたいです。
新型コロナウイルスワクチンの効果90%?
2020年11月9日にファイザー社・ビオンテック社の共同開発による『新型コロナウイルスワクチン』が、90%の予防効果があるとの中間報告がなされました。
記事によると試験参加者が約4万3千人で、94例に発症がありました。
https://www.pfizer.com/news/press-release/press-release-detail/pfizer-and-biontech-announce-vaccine-candidate-against
効果90%、つまりワクチン接種で90%の人が新型コロナウイルス(COVID-19)に罹らないってことなのでしょうか??
計算しやすいように2万人を対象に1万人には本物のワクチン接種、もう1万人には偽薬(プラセボ)と仮定します。
そのうち本物接種で発症した人が5人、プラセボが50人だったとします。
この場合有効率は、1ー[(5/10000)/(50/10000)]×100=90%となります。
これでわかることは、本物のワクチンを接種した1万人のうち5人は感染しましたが、残り9995人に対しては記事がありません。偽陰性かもしれませんし、発症していても症状がないだけかもしれません。つまり残りの人に関しては効果があったかどうか今のところ良くわからないとういう結果になります。
浮かれるのはまだ時期尚早かも
通常ワクチン開発に3−5年はかかるとされていますが、この時点での発表はまだ早いのでは。
ワクチンの持続期間や重症化を防げるかが不明
今回の報告では発症した94人の状態の記載がなく、重症化を防げていたのかがわかりません。
副反応がまだわかっていない
今のところワクチン接種による重篤な副反応は報告されていません。しかし獲得された抗体が免疫反応を過剰にしより重症化する現象(デング熱で見られるADE(Antibody Dependent Enhancement))がある可能性もあります。
輸送・保存条件
今回のワクチンの保存条件はなんとマイナス70℃!
この基準を守れるところはまずないのではないでしょうか?
いずれにせよ、今回の結果は人類にとって明るいニュースですし、今後にとても期待が持てると思います。
今後の開発に期待し、ワクチンが早期に普及してくれることを願うばかりです。
新型コロナウイルスによるポピドンヨードを含むうがい液についての誤解
新型コロナウイルスによるポピドンヨードを含むうがい液についての誤解に関しては、詳しくはこちらからご覧ください。
新型コロナウイルスについてこれまでに分かっている事
こんにちは。にこにこクリニックです。ようやく本格的な冬の気候になってきましたね。
2019年末に中国武漢市において発症した新型コロナウイルスについて現在分かっている範囲でまとめてみました。
初期症状は普通の風邪と同じ発熱・鼻汁・咳です!
重症化で入院して初めて検査できるため、見過ごされいる場合は多いのではないでしょうか。
また、15歳未満の小児に関しては2020年2月4日現在重症化は認めていません。重症感染症の同じコロナウイルス(SARS/MERS)に関しても小児の重症化は認めておりません。
構造上SARSの塩基配列との相同性が高く治療の手かがりにつながるかもしれません。
- 発生:2009年12月 中華人民共和国湖北省武漢市 新型コロナウイルス関連肺炎が発生。
- 疫学:死者これまでのところ、60歳以上でもともと健康状態が悪いという共通点があります。
2020年2月3日時点で感染者20438人死者235人となっています。
感染力はインフルエンザと同等で潜伏期間はWHOによると10日前後と言われています。
SARSの様なコウモリなど野生生物由来の可能性
今のところ小児では少ない
長期予後も不明
主に咳・くしゃみが感染源になります(飛沫感染)。
予防にはマスク・メガネや花粉対策メガネも有効です。
コロナウイルスには迅速キットはありません。
そもそもコロナウイルスって??
発熱や上気道症状を引き起こすウイルスで、人に感染を起こすものは現在6種類あることが分かっています。一般の風邪の原因が4種類、残りはMERSやSARSといった重症感染をするものです。
- 風邪のコロナウイルス(4種あります)
風邪の10~15%(流行期35%)。冬季に流行のピークが見られ、ほとんどの子供は6歳までに感染を経験します。多くの感染者は軽症ですが、高熱を引き起こすこともあります。
- 重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)
2002年に中国広東省で発生し、半年で30を超える国や地域に拡大しました。WHOの報告によるとSARS患者は8,069人、うち775人が重症の肺炎で死亡(致命率9.6%)。死亡した人の多くは高齢者や、心臓病、糖尿病等の基礎疾患を前もって患っていた人でした。子どもの感染例は殆どなく重症化もありません。
- 中東呼吸器症候群コロナウイルス(MERS-CoV)
2012年にサウジアラビアで発見され、27カ国で2,494人の感染者がWHOへ報告され(2019年11月30日時点)、そのうち858人が死亡(致命率34.4%)。小児の感染者は軽症。
また、冬になるとインフルエンザや○○ウイルスといった風邪が流行しやすいです。
ウイルスには水分が含まれていますが、空気の乾燥によりウイルス中の水分が蒸発することでウイルスが空気中を漂いやすくなります。さらに気温低下で体の抵抗力低下・特に小さいお子様やお年寄りは抵抗力が弱くウイルス感染に罹患するリスクが増えます。
室内の湿度は50~60%を保つのがおすすめです。湿度が40%を下回ると、ウイルスが浮遊しやすくなり、一方で加湿しすぎると結露の原因になってしまいます。