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2021.08.16

新型コロナワクチン・ファイザーVSモデルナ

2010年5月24日からモデルナ社ワクチン接種が始まりました。ファイザー社は希釈が必要で、1本で6人分接種可能です。希釈ミスもあり大規模接種センターでよく問題になっています。

一方、モデルナ社は希釈の必要性がなく1本で10人分接種可能であり、大規模接種センターで広く使われるようになっています。

8月14日現在、日本ではこの2社が主流です。それぞれの今わかっていることをまとめてみました。

副反応はモデルナ社の方が多い?

https://www.tokyo-np.co.jp/article/124060
参照:東京新聞 TOKYO Web

厚生労働省の研究によると、モデルナ社接種後に発熱した人の割合はファイザー社接種後の2~3倍に上ると表明しています。

副反応はモデルナ社の方が多い?

出典:東海テレビ https://www.tokai-tv.com/tokainews/feature/article_20210807_10506

この現象はアメリカ(CDC)の研究で2021年4月5日に報告済みです。

参照:Adverse Reactions in the US to mRNA-Based Coronavirus Vaccines
https://jamanetwork.com/journals/jama/fullarticle/2778441

2回接種で37.5℃以上の発熱はファイザー社4割に対し、モデルナ社8割。
38℃以上はファイザー社2割に対し、モデルナ社6割。

ワクチン効果はモデルナ社が上?

参照元:「デルタ株」の感染予防、ファイザー製よりもモデルナ製が有効か…米研究チーム : 医療・健康 : ニュース8月12日の読売新聞記事です。
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20210811-OYT1T50195/

インド由来変異型ウイルス「デルタ株」に対する感染予防効果は2021年7月時点でファイザー社42%に対しモデルナ社76%という米国のデータが出ました。
デルタ株発見以前は両者とも効果に差はあまりありませんでしたが、デルタ株出現で効果に差が見られています。

アナフィラキシーについて

ある論文によると、ファイザーやモデルナの1回目の接種で即時型アレルギー症状のある189人のうち159人に2回目の接種が施行され、抗ヒスタミン薬の内服で軽快するような軽度な症状が20%でみられたのみで安全に接種できたということです。
厚労省から日本でのアナフィラキシーの頻度が、ファイザー5/100万回、モデルナ2/100万回と、インフルエンザ並みと非常に低いことがわかりました。
抗生物質や鎮痛剤の100〜1000分の1ですから、過剰な心配はいらないかもです。

モデルナアーム:COVID-arm(遅発アレルギー)について

モデルナアーム:COVID-arm(遅発アレルギー)について

参照元:N Engl J Med. 2021; 384:1273-1277
(Delayed Large Local Reactions to mRNA-1273 Vaccine against SARS-CoV-2)
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMc2102131

2021年1月から米国で報告されています。
頻度3-4% 80%以上が女性で 若い女性(中央値38歳)に特に多いです。
ファイザー社では報告例はありません。
摂取後薬1週間で出現(最短2日 最長12日)し摂取部位よりも下に現れます。
約1週間で自然消失します。
アナフィラキシーに移行した報告例はありません。1回目でモデルナアームが生じても、2回目摂取は問題がないと考えられています。皮膚症状出現は、1回目摂取よりも早まることが多いです。

参考文献:「モデルナアーム」(遅延性皮膚反応)の例
(第64回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会、令和3年度第13回薬事・食品衛生審議会薬事分科会医薬品等安全対策部会安全対策調査会資料より抜粋)

腕の痛みや痒み・腫れ熱感に関して

で症状は軽くなります
また、熱に関してもアセトアミノフェン・NSAIDs使用で症状緩和が期待でます。
副反応に備えるため摂取日の翌日の仕事や学校を調節できるようにされることが望ませしいです。

一般的に予防接種を受ける意義について

  • 個人を守る(個人防衛)
  • 社会を守る(社会防衛)

とういう役割があります。

予防接種を受けることで、その病気に対する免疫力が作られ、発症や重症化を防ぎます。
多くの人がその予防接種を行うことで、集団の中に感染者が出ても流行を防ぐといった集団免疫効果が発揮されます。
そういうことでワクチン接種することができない人を守るということにも繋がります。
この世にワクチンというものが誕生してから約200年が経ちます。
しかし日本のワクチン接種歴はまだ浅く、2021年時点でまだ73年。当時の平均寿命は約57歳。2020年では84歳。健康寿命(自立生活)も年々高くなっています。
ワクチンで予防できる病気(VPD)が徐々に増えてきたことが大きな要因の一つです。

ファイザー社・モデルナ社の安全性の違いは、いずれも臨床試験で安全性が承認されています。モデルナ社の方が副反応が多く出ている一方、デルタ株などには有効性が高く出ているそうです。
いずれにしてもワクチンに対しある程度の有効性があることがわかっていますので、目前の副反応云々よりもいずれかのワクチンを打てるタイミングで摂取されることが望ましいです。